高気密・高断熱住宅を実現するために欠かせない防湿気密処理。性能の高い住宅でも、施工の精度が低ければその効果を十分に発揮できません。この記事では、防湿気密処理の重要なポイントをご紹介します。
1. なぜ防湿気密処理が必要なのか?
高気密・高断熱住宅は、建物の気密性を高めることで外部の冷気や暖気をシャットアウトし、室内の温度を安定させることが目的です。しかし、施工の際に小さな隙間が残ってしまうと、そこから空気が出入りし、せっかくの気密性能が低下します。
さらに、防湿性能が不十分だと壁内部に湿気が侵入し、結露が発生してしまいます。これがカビや木材の腐食を引き起こし、住宅の寿命を縮める原因になります。そのため、防湿と気密はセットで行うことが非常に重要です。
2. 防湿気密処理のポイント
防湿気密処理で押さえるべきポイントは以下の3つです。
① 気密部材の選定
気密テープや気密シートなど、専用の気密部材を使うことで施工の精度が向上します。特に、サッシ周りや構造材の接合部など、隙間が生じやすい箇所には気密部材の使用が必須です。
② 防湿層の確保
壁の内側には防湿シートを貼り、湿気が壁内部に侵入しないようにします。この際、シート同士の重ね代を十分に確保し、隙間を作らないよう注意が必要です。
③ 施工精度の徹底
どれだけ高性能な部材を使用しても、施工の精度が低ければ意味がありません。特にサッシ周辺、コンセントボックス、天井と壁の取り合い部分などは気密が破れやすいポイントです。丁寧に施工し、気密性を保ちましょう。
3. 施工事例:サッシ周りの防湿気密処理
ある現場では、高性能サッシ「エクセルシャノン NS-50」を採用しました。このサッシは断熱性能・気密性能ともに優れており、正しい取り付けと気密処理を行うことで最大限の性能を発揮します。
施工手順
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気密部材の準備
専用の気密テープと防湿シートを用意。高い気密性能が求められるため、事前の準備が重要です。 -
サッシの取り付け
サッシを設置し、枠周りの隙間を防湿シートでカバーします。この際、シートを折り返して気密テープで固定し、湿気の侵入を防ぎます。 -
気密テープで仕上げ
サッシ枠と壁の取り合い部分に気密テープをしっかりと貼り付けます。細かい隙間にも気を配りながら作業を進め、漏れがないか確認します。
結果と効果
この施工により、サッシ周りの隙間をゼロに近づけ、建物全体の気密性能を向上させることができました。また、防湿処理がしっかりと行われているため、壁内結露のリスクも低減しています。
4. 気密性能の確認方法
施工後の気密性能を確認するためには、気密測定を行うことが重要です。気密測定では、建物に送風機を設置し、どれだけ空気が漏れているかを数値化します。一般的に**C値(相当隙間面積)**が小さいほど高い気密性能を示し、高気密住宅ではC値1.0以下が目安となります。
5. まとめ:防湿気密処理で住宅性能を最大限に引き出そう
防湿気密処理は高気密・高断熱住宅の要であり、施工の精度が住宅性能を左右します。
- 気密部材の適切な使用
- 防湿層の確保
- 丁寧な施工と確認
これらを徹底することで、住まいの快適性を高め、エネルギー効率の良い住宅を実現できます。今後の住宅づくりにおいて、気密性能と防湿処理を重視し、確かな施工を目指していきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!施工事例や具体的なポイントをしっかりと押さえ、現場で役立てていただければ幸いです。