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吹付ウレタン断熱とは

2025/02/28(金) 家づくりのこと

吹付ウレタン断熱について詳しく解説

はじめに

住宅の断熱性能は、快適な室内環境の維持や省エネルギー性能に大きく影響します。その中でも「吹付ウレタン断熱」は、優れた気密性・断熱性を持つ断熱材として注目されています。本記事では、吹付ウレタン断熱の特性、種類、メリット・デメリット、施工方法、メンテナンス、環境性能などについて詳しく解説します。

1. 吹付ウレタン断熱とは?

基本情報

吹付ウレタン断熱(Spray Polyurethane Foam)は、現場で液状のウレタン樹脂を吹き付けて発泡させ、断熱層を形成する施工方法です。発泡後に硬化し、隙間なく密着するため、非常に高い気密性を実現します。

製造・施工方法

吹付ウレタンは、以下のようなプロセスで施工されます。

  1. 混合・吹付:ポリオールとイソシアネートの2つの成分を混合し、スプレーガンで壁や天井に吹き付けます。

  2. 発泡・膨張:液状のウレタンが数秒以内に発泡し、数十倍の体積に膨らみながら硬化します。

  3. 硬化・仕上げ:吹き付けた後に不要な部分をカットし、仕上げ材を施工します。


2. 吹付ウレタン断熱の種類

(1) オープンセルウレタンフォーム

  • 柔らかく、スポンジ状の構造。

  • 気泡が開いており、透湿性が高い。

  • 吸音性があり、防音効果が期待できる。

  • 断熱性能はクローズドセルに比べるとやや低い。

(2) クローズドセルウレタンフォーム

  • 硬質で密度が高い構造。

  • 気泡が閉じており、透湿性が低く防湿性能が高い。

  • 高い断熱性能と強度を持ち、構造体の補強効果もある。

  • オープンセルに比べてコストが高め。


3. 吹付ウレタン断熱のメリット

(1) 優れた気密性

吹付ウレタンは発泡することで隙間を埋め、気密性が非常に高くなります。気密性が高いと、冷暖房効率が向上し、省エネ効果が期待できます。

(2) 高い断熱性能

クローズドセルタイプは特に断熱性能が高く、壁の厚みを抑えながらも効果的な断熱が可能です。

(3) 隙間なく施工可能

液状のウレタンを吹き付けるため、複雑な形状の部分や狭い隙間にも充填可能です。従来のボード状断熱材では難しい部分にも対応できます。

(4) 防音性能

オープンセルウレタンフォームは吸音性があり、外部からの騒音を軽減する効果があります。

(5) 結露防止効果

クローズドセルタイプは透湿性が低く、壁内部に湿気が入り込むのを防ぎ、結露の発生を抑えることができます。

(6) 施工スピードが速い

現場で直接吹き付けるため、施工時間が短縮されるのもメリットの一つです。


4. 吹付ウレタン断熱のデメリット

(1) コストが高い

材料費・施工費ともに他の断熱材(グラスウールなど)と比較して高くなる傾向があります。

(2) 紫外線に弱い

ウレタンフォームは紫外線に弱く、長期間露出すると劣化するため、適切なカバー材が必要です。

(3) 施工には専門技術が必要

適切な発泡量や厚みの調整には専門的な知識が必要であり、DIYには向きません。

(4) 火災時に有毒ガスを発生する可能性

自己消火性のあるタイプもありますが、火災時には有毒ガスを発生することがあるため、防火対策が重要です。


5. 施工方法

(1) 壁への施工

  • 下地を清掃し、湿気対策を施す。

  • スプレーガンで均等に吹き付ける。

  • 必要に応じて削り取り、仕上げ材を施工。

(2) 天井への施工

  • 吹き付け後、重量を支えるために適切な補強を行う。

  • 通気層を確保し、結露対策を施す。

(3) 床下への施工

  • 基礎部分への吹き付けにより、地面からの冷気を遮断。

  • 防湿対策をしっかりと行うことで、湿気による劣化を防ぐ。


6. メンテナンスと長寿命化

(1) 定期点検

  • 施工後の経年変化を確認し、劣化が見られる場合は補修。

  • 紫外線の影響を受けないよう、外装のメンテナンスも重要。

(2) 防湿対策

  • 結露やカビの発生を防ぐため、適切な換気システムを設置。

(3) 補修・交換

  • 施工後に損傷が見られる場合、専門業者による補修を依頼。


7. まとめ

吹付ウレタン断熱は、気密性・断熱性が非常に高く、長期間にわたって快適な室内環境を維持できる断熱材です。コストはやや高めですが、その分エネルギー効率が向上し、ランニングコストの削減にもつながります。

特性 評価
断熱性能 非常に高い
防音性能 高い
コスト やや高い
燃えにくさ 普通(対策が必要)
施工の難易度 高い(専門業者必須)

住宅の性能向上を目指す場合、吹付ウレタン断熱は非常に有効な選択肢の一つです。適切な施工とメンテナンスを行い、高い断熱効果を最大限に活用しましょう。