新築で気をつけたいアレルギー対策と空気を浄化する自然素材の選び方
家を建てるとき、間取りやデザインはもちろん大切ですが、健康的に暮らせる空間づくりも欠かせません。特に小さなお子さんやアレルギー体質の方がいるご家庭では、「空気環境」を意識することが、快適な住まいづくりの鍵になります。今回は、新築住宅におけるアレルギー対策と、空気を浄化する自然素材の選び方についてご紹介します。
シックハウス症候群とアレルギーの関係
現代の住宅は気密性が高く、省エネ性能に優れていますが、その反面、室内の空気がこもりやすくなっています。その結果、建材や家具から発生する化学物質が室内に蓄積され、シックハウス症候群やアレルギー症状を引き起こすケースも増えています。
特に注意したいのが、ホルムアルデヒドやトルエンなどの揮発性有機化合物(VOC)。これらは合板、接着剤、塗料などに含まれ、目のかゆみ、喉の痛み、頭痛、喘息などの症状を引き起こすことがあります。
新築時にできるアレルギー対策
- F☆☆☆☆の建材を選ぶ
建築基準法では、ホルムアルデヒドの放散量が少ない順に「F☆〜F☆☆☆☆」の等級が定められています。F☆☆☆☆(フォースター)は最も安全性が高く、室内での使用制限がありません。内装材や合板、家具などはF☆☆☆☆の商品を選ぶようにしましょう。
2. 換気計画の徹底
24時間換気システムは義務化されていますが、設計段階から空気の流れを意識し、自然換気との併用や、空気がよどみやすい場所への排気口の設置なども効果的です。タテルナラの新築は特に気密性が高い為、換気システムにも拘りをもって、確実な計画換気を行っています。
3. カーペットや布製品を控える
カーペットやカーテンなどの布製品は、ダニやホコリがたまりやすく、アレルギーの原因となります。できるだけフラットで掃除しやすい素材を選びましょう。
空気を整える自然素材のすすめ
自然素材は、化学物質の発生を抑えるだけでなく、空気をきれいに保つ効果が期待できます。以下は、空気環境に配慮した代表的な自然素材です。
1. 無垢材(むくざい)
無垢材とは、天然木をそのまま加工した木材で、合板に比べて化学物質の放出が少ないのが特徴です。木の香りにはリラックス効果があり、湿度を調整する性質も。床材や天井、家具に使用するのがおすすめです。ここで一つ注意があります。せっかくの無垢材にウレタン塗装などをしないようにしてください。無垢材の表面がふさがり呼吸が出来なくなります。調湿効果もなくなり木の香りも出せなくなってしまいます。
2. 漆喰(しっくい)
石灰を主成分とした自然素材で、抗菌性に優れています。調湿性や消臭性もありますが、これらは、珪藻土の方が勝ります。細菌やウイルス、かびに対して抵抗効果を持つことは、シックハウス症候群の対策としては非常に効果的です。室内の空気中に含まれるホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着・分解する働きもあります。塗り壁として取り入れると、ナチュラルで温かみのある空間になります。
3. 珪藻土(けいそうど)
海や湖の植物性プランクトンの化石からできた自然素材で、多孔質で高い吸放湿性能を持ちます。結露やカビの発生を抑え、空気中の湿度を快適に保つことができます。ホルムアルデヒドなどの揮発性有害物質を吸収し無害化する。また、アンモニアなどの不快な臭いや、細菌や風邪のウイルスなどを分解する働きもあります。
調湿効果については、湿度が70%以上になると吸湿し、40%以下になると放湿する働きがあります。
その他、消臭、吸音効果、防火性に優れています。
4. 和紙クロス
タテルナラでは、土佐和紙を使用しています。土佐和紙は楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)、ケナフーなどの原料で出来ています。特に光触媒土佐和紙壁紙は、ホルムアルデヒドなどの揮発性有害物質を分解除去、アンモニア臭、ペット臭、タバコ臭を除去、大腸菌、黄色ブドウ球菌などの減菌効果など、優れた効果を発揮します。ビニールクロスに比べて通気性が良く、静電気が発生しにくいためホコリを寄せにくいのが特徴。自然な風合いも魅力で、ナチュラルなインテリアによく合います。
素材選びは「人に優しいかどうか」を基準に
自然素材と一口に言っても、加工の過程で化学接着剤が使われていたり、仕上げ材に有害物質が含まれていたりする場合もあります。そのため、「自然素材」と書かれていても、その成分や加工方法まで確認することが重要です。
また、アレルギーや敏感肌の方がいる場合は、素材の実物に触れてみるのも良いでしょう。
まとめ
新築住宅でのアレルギー対策には、化学物質の少ない建材選びと、空気の流れを意識した設計が不可欠です。そして、無垢材や漆喰、珪藻土といった自然素材を上手に取り入れることで、見た目にも美しく、心地よく過ごせる空間をつくることができます。
家は長く暮らす場所だからこそ、見えない「空気の質」にもこだわりたいもの。健康的で安心な住まいを目指して、素材選びから始めてみませんか?