石澤 眞知子 石澤 眞知子

注文住宅高断熱の窓

2025/01/16(木) 家づくりのこと

注文住宅新築における高断熱窓の重要性と選び方

注文住宅を新築する際、高断熱の窓を採用することは、快適な住環境を実現するために欠かせません。

窓は住宅の中でも熱の出入りが大きい箇所であり、冬場の約50%、夏場の約70%の熱が窓から逃げたり入ったりすると言われています。

そのため、窓の断熱性能を高めることは、エネルギー効率の向上や光熱費の削減、さらに快適性の向上につながります。以下では、高断熱窓の重要性と選び方について詳しく解説します。


1. 高断熱窓の特徴とメリット

高断熱窓とは、外部の寒暖差を抑える性能を持つ窓のことを指します。主に以下のようなメリットがあります:

  • エネルギー効率の向上
    高断熱窓は、冷暖房効率を高めるため、光熱費の削減に貢献します。冬は室内の暖かさを逃がさず、夏は外部の熱を遮断します。

  • 結露の抑制
    室内と室外の温度差を減らすことで、窓の結露が起きにくくなり、カビやダニの発生を防ぎます。これにより、住まいの清潔さと耐久性も向上します。

  • 快適な室内環境
    温度差が少ないため、室内全体が均一な温度を保ちやすく、快適に過ごせます。特に冬場、窓付近の寒さが軽減される効果は大きいです。


2. 高断熱窓の種類

高断熱窓には、主に以下の種類があります。それぞれの特徴を理解して、住まいに適したものを選びましょう。

  • 複層ガラス(ペアガラス)
    2枚のガラスの間に空気層やアルゴンガスなどを挟むことで断熱性能を高めた窓です。基本的な断熱性を備えており、コストパフォーマンスが良い点が特徴です。

  • トリプルガラス
    ガラスが3枚構成されているタイプで、複層ガラスよりもさらに高い断熱性能を持ちます。寒冷地やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)を目指す住宅に適しています。

  • Low-Eガラス
    ガラス表面に特殊な金属膜をコーティングしたもので、紫外線や赤外線を反射しながら、可視光線を通します。これにより、断熱性と採光性を両立できます。

  • 樹脂サッシ
    窓枠の素材として樹脂を使用したもの。アルミサッシに比べて熱伝導率が非常に低く、断熱性が高いです。


3. 高断熱窓を選ぶ際のポイント

高断熱窓を選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう:

  • 地域の気候条件
    寒冷地や暑い地域では、トリプルガラスやLow-Eガラスなど、より高性能な窓が推奨されます。一方、温暖な地域ではコストを抑えた複層ガラスでも十分な場合があると言われていますが、近年の夏の暑さは異常でますます高温になる可能性があるので、出来る事なら樹脂サッシのトリプルガラスをお勧めします。

  • 住宅の断熱性能とのバランス
    窓だけでなく、壁や屋根の断熱性能とのバランスを考えることが重要です。住宅全体の断熱性能を考慮して窓を選ぶと、効果を最大限に引き出せます。

  • 設置箇所による性能の調整
    日当たりが良い南側にはあえて「日射取得ガラス」を用いて冬場の太陽熱を取り込みます。この冬場の太陽熱は、壁、床、家具などをしっかり温めてくれます。夏は庇や外付けブラインドで日射遮蔽をします。北側には断熱性能を重視した窓を設置するなど、設置場所に応じて自然エネルギーを味方に適切な窓を選びましょう。

  • 予算との兼ね合い
    トリプルガラスや樹脂サッシは初期費用が高くなりますが、光熱費削減や快適性の向上を考えれば長期的なメリットが大きいです。


4. 高断熱窓の注意点

高断熱窓を採用する際には、以下の点にも注意しましょう:

  • 換気対策
    高断熱化によって密閉性が高まるため、換気システムの設置が必要です。窓開け換気だけでは不十分な場合があります。

  • 施工の精度
    窓の断熱性能を最大限活かすには、丁寧な施工が不可欠です。隙間や不具合があると性能が低下するため、手慣れた信頼できる施工業者を選びましょう。


5. 高断熱窓の将来性

高断熱窓は、これからの住宅においてますます重要な存在となります。特に、カーボンニュートラルを目指す取り組みやZEHの普及により、省エネ性能の高い住宅が標準化されていく中で、高断熱窓は必須の選択肢となるでしょう。また、技術の進歩により、さらなる性能向上やコスト削減が期待されています。


高断熱窓は、注文住宅を新築する際にぜひ検討すべき重要な要素です。快適性、経済性、環境性の3つの観点から、長期的なメリットを考慮して最適な窓を選びましょう。