石澤 眞知子 石澤 眞知子

家事がしやすい家

2025/04/24(木) 家づくりのこと

家事のしやすい家づくり~毎日の暮らしを、もっと軽やかに~

毎日の生活の中で、家事は欠かすことのできない重要な要素です。料理、洗濯、掃除、片付け——これらをいかに効率よく、そしてストレスなく行えるかによって、家での暮らしやすさは大きく変わります。「家事がしやすい家」は、忙しい毎日にゆとりをもたらし、家族みんなが心地よく過ごせる住まいへとつながっていきます。
家事動線、収納、間取り、設備などの観点から、“家事ラク”を叶える住まいの工夫について紹介します。

1. 家事動線を意識した間取り

家事をする際に「家の中を何度も行き来する」「移動距離が長くて疲れる」といった悩みを持つ方は多いもの。

そこで重要なのが「家事動線」です。家事動線とは、家事を行う際の人の動きや流れを指し、この動線を最適化することで、移動のムダを減らし効率的に家事をこなすことができます。

たとえば、キッチン・洗面室・物干しスペースを回遊できる動線にすると、「洗濯しながら夕食の支度」といった同時進行がしやすくなります。ランドリールームから物干し場へ一直線でアクセスできるだけでも、洗濯動線がぐっとラクになります。また、玄関から直接パントリーやキッチンへアクセスできる動線を確保すれば、買い物帰りの荷物運びもスムーズです。

2. 回遊性のある間取りで家事の負担を軽減

最近では「回遊動線」を採用した間取りが注目されています。回遊動線とは、家の中をぐるりと回れる動線設計のこと。たとえば、玄関→洗面室→キッチン→リビング→玄関といったように、どこからでも目的の場所にアクセスできると、家事にかかる手間や移動が格段に軽減されます。

回遊動線の大きなメリットは、混み合いにくく家族みんながスムーズに動けること。家族それぞれが朝の準備をする時間帯などでも動きがぶつからず、ストレスが軽減されます。また、将来の生活スタイルの変化にも対応しやすい柔軟な間取りになります。

 

3. 充実した収納スペースで「片付けやすさ」を実現

家事がしやすい家に欠かせないのが「適材適所の収納」です。必要な場所に、必要な大きさの収納があることで、家事の効率はぐっと上がります。たとえば、キッチンにパントリーを設けて、食品のストックやキッチン家電を収納すれば、作業スペースを広く保てます。

玄関近くにファミリークローゼットを設ければ、帰宅後すぐに着替えや荷物の整理ができ、リビングに私物が散乱するのを防ぐことができます。
脱衣室にはタオルや洗剤をまとめて置けるリネン庫を設置したり、家族の着替えの収納があるだけで、家事のスピードと快適さが格段に向上します。

一般的には、洗面所を脱衣場と兼ねるケースが多いようですが、タテルナラでは洗面所は別にオープンスペースで儲け、脱衣場と分離させることが多いです。

 

4. 水回りの集約で効率アップ

キッチン、洗面、トイレ、お風呂など、水回りを一か所にまとめることで、配管コストを抑えつつ家事効率も向上します。

たとえば、キッチンのすぐ横にランドリールームがあると、料理と洗濯を同時にこなすことができます。お風呂の近くに脱衣室兼ランドリースペースを設けることで、洗濯から乾燥・収納までをワンストップで済ませられます。

また、室内干しができるスペース(ランドリールームやサンルームなど)を確保しておくことで、雨の日や夜間でも洗濯が可能になり、洗濯のストレスを減らすことができます。

5. 最新の住宅設備も味方に

家事をラクにするのは、間取りや収納だけではありません。最近では便利な住宅設備も多く登場しています。たとえば、食器洗い乾燥機、乾太くん(ガス乾燥機)、ロボット掃除機、タッチレス水栓などは、時短家電として非常に人気があります。

また、スマートホーム機能を取り入れることで、照明やエアコン、給湯などを外出先から操作でき、日常の動作がよりシンプルに。特に小さな子どもがいる家庭や共働き家庭にとっては、大きな助けになります。

6. 家族みんなで“家事をシェア”しやすい工夫

家事はひとりで背負うものではなく、家族みんなでシェアすることで負担が軽減されます。そのためには「誰にとってもわかりやすい」「使いやすい」動線や収納が大切です。たとえば、お子様にも手が届く高さに収納棚を設けたり、リビングの一角に共用の家事カウンターを設けたりすることで、自然と家族の家事参加が促されます。

また、先日完成したお家では、脱衣室に折り畳み式の台を壁面に造作で取り付けました。脱いだ服を置いたり、畳んだり、またアイロンをかけたりいろんな
用途に使えます。決して広くない場所ですので、折り畳み式で壁面に取り付けられているので便利です。

 

まとめ:家事がしやすい家は、心にも時間にもゆとりを生む

家事のしやすさは、日々の暮らしに直結しています。動線・収納・間取り・設備、それぞれの要素に少しの工夫を加えるだけで、暮らしの質は大きく向上します。家族のライフスタイルや将来の変化も見据えながら、無理なく自然に家事をこなせる住まいをつくることで、「忙しい毎日がちょっと楽になる」「暮らしがもっと好きになる」——そんな住まいが実現します。

家づくりを考える際には、デザイン性だけでなく「毎日の動きやすさ」にもしっかりと目を向けて、家族の笑顔が増える住まいを叶えてみてはいかがでしょうか。