石澤 眞知子 石澤 眞知子

H様邸 基礎打設工事

2024/12/01(日) 家づくりのこと

先日着工しました「H様邸」の基礎のコンクリートを打設しました。この工事は、建物の安定性や耐久性を左右する大切な工事です。この作業を適切に行う事で、建物全体の安全性や、長寿命化が確保されます。今回は、基礎打設工事の注意点をご紹介します。

 

基礎打設工事の注意点

基礎打設工事は建物の安定性や耐久性を左右する重要な工程です。この作業を適切に行うことで、建物全体の安全性や長寿命化が確保されます。以下に、基礎打設工事の注意点を解説します。

 

1. 事前準備

 

地盤調査と基礎設計

• 基礎打設工事の前に、地盤の状態を確認し、設計条件に合った基礎工法(布基礎、ベタ基礎、杭基礎など)を選択することが重要です。今回H様邸は地盤調査結果で、改良無しでべた基礎施工になりました。

• また地盤の支持力が不足している場合は、適切な地盤改良が必要です。どちらも10年保証がついているため万が一の時も安心です。

型枠の点検

• 型枠の設置が正確かどうかを確認します。型枠が歪んでいたり、緩んでいるとコンクリートの流出や変形の原因になりますので、基礎屋さん任せにしないで必ず監督が確認することが大切です。

• 墨出し(基礎位置のマーキング)が図面通り正確に行われていることを再確認します。

 

配筋検査

• 配筋が設計図通りに配置されているかを確認します。鉄筋間隔や被り厚(鉄筋と型枠の間のコンクリートの厚み)に注意します。

第三者機関の検査を受けますので、合格したのを確認して次の工程に進みます。

• 特に鉄筋の継ぎ手部分やアンカーボルトの位置が正確であることが重要です。これも業者任せではなく、自社の監督の確認が必要です。

 

2. コンクリートの品質管理

 

配合とスランプ試験

• 打設に使用するコンクリートは、現場の条件に適した強度と配合(セメント、水、骨材の比率)が選ばれていることを確認します。

• 現場でスランプ試験(コンクリートの流動性を測る試験)を実施し、適正な流動性を確認します。流動性が不足すると充填不良、過剰だと強度不足の原因になります。

 

コンクリートの温度管理

• コンクリートは温度の影響を受けやすいため、適切な温度管理が必要です。

• 夏場は打設中にコンクリートが急速に乾燥しないよう、散水やシート養生を行います。

• 冬場は凍結防止のため、温水を使用したコンクリートや防寒シートで養生します。H様邸は、この時期凍結の心配もなくスムーズに打設できましたが、雨模様のため打設日を1日ずらしました。したがって養生期間もずらし確実に強度を出します。

 

3. 打設作業のポイント

バイブレーション作業

• コンクリート内の空気を除去し、密実な構造にするため、バイブレーターで振動を与えます。

• 過剰な振動は分離(セメントと骨材が分かれる現象)の原因になるため、適切な時間と範囲で行います。

 

打設時の高さ制限

• 高所からコンクリートを流し込むと分離や型枠の破損が起きる可能性があるため、高さは1.5m以下を目安にします。

 

4. 養生の徹底

初期養生

• 打設後のコンクリートは急速に乾燥するとひび割れの原因になるため、適切な湿潤状態を保つように養生を行います。

• 夏場は特に散水やシートで覆うなどして、硬化初期に水分を失わないよう管理します。

 

温度管理

• コンクリート硬化時の温度変化が大きいと、収縮やひび割れが発生します。外気温が低い場合は、防寒対策として保温シートを使用します。

 

養生期間

• コンクリートが所定の強度に達するまで、通常7日以上の養生期間を確保します。強度が不足したまま次の工程に進むと、基礎全体の強度に影響を及ぼします。

 

5. 安全管理

作業環境の確認

• 打設現場での足場や作業スペースの安全を確保します。

• 打設機械やポンプ車の使用時は、作業員同士の連携を徹底し、機械トラブルや事故を防ぎます。また生コン車が道路をふさぐ場合は、ガードマンの要請が必要になります。

 

周囲への影響

• 近隣住宅地では騒音や振動が発生するため、事前に周辺住民への配慮や説明を行います。

 

まとめ

基礎打設工事は建物の基盤を形成する重要な工程であり、事前準備、品質管理、適切な施工手順、養生の徹底が不可欠です。また、適切な温度・湿度管理や施工後の養生を行うことで、ひび割れや強度不足のリスクを最小限に抑えることができます。施工業者と連携し、確実な品質管理を行うことが、長く安全に暮らせる建物の基礎を作る鍵となります。

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