石澤 眞知子 石澤 眞知子

高性能住宅を作る事で得をする保険について

2024/11/28(木) 家づくりのこと

高性能住宅を作ることで得をする保険

 

高性能住宅は、断熱性や気密性、耐震性、省エネ性能に優れた住宅を指します。このような住宅を建てることで、暮らしの快適性や健康への配慮だけでなく、さまざまな保険においても経済的なメリットを享受できます。以下では、高性能住宅がもたらす保険面での恩恵について詳しく解説します。

 

1. 高性能住宅と保険の関係

 

高性能住宅は、以下のような特徴を持つため、保険において有利な条件を得やすくなります:

• 火災や自然災害に強い設計

高性能住宅では、防火素材の使用や耐震設計が施されているため、災害リスクが低く評価される場合があります。また、木造建築であっても「省令準耐火構造」の仕様にすると、一般的な木造住宅と比較して半額から60%程度安くなるので何十年も半額ですむのなら、新築時のコストアップ(30万位)に比べお得かもしれません。

• 省エネ性能によるリスク低減

省エネ性能が高い住宅は電気系統のトラブルが少なく、火災リスクを抑える効果があります。特にオール電化住宅は、保険会社にもよりますが、火災保険が「オール電化住宅割引」が適応され安くなります。

金額は一定ではなく、建物の構造や契約内容、電気使用量などで変わってきます。

 

• 住宅寿命の長期化

高品質な建材や工法を採用しているため、劣化が遅く、長期間にわたって安心して住むことができる点が保険評価に影響します。

 

これらの要因により、特定の保険料が割引になることや、特別な補償内容が付与されるケースがあります。

 

2. 具体的に得をする保険の種類

 

(1) 火災保険

高性能住宅では、火災保険の保険料が安くなる場合があります。以下の条件が影響します:

 

• 「省令準耐火構造」や「準耐火建築物」と認定される住宅では、保険料が50%程度安くなる場合があります。

一般木造住宅を「省令準耐火構造」で作ると、約30万円くらいの建築費のコストアップになりますが、一生火災保険が半額になるのならお得かもしれません。

最新の設備や安全性の高い設計により、火災の原因となる電気トラブルのリスクが低減します。

 

(2) 地震保険

 

地震保険は建物の耐震性能によって保険料が変わります。高性能住宅は耐震等級の高さが評価されるため、以下のようなメリットがあります:

• 耐震等級による割引

耐震等級が高い住宅は割引率が適用されます。例えば:

• 耐震等級1:10%割引

• 耐震等級2:20%割引

• 耐震等級3:30%割引

• 高性能住宅では耐震等級2以上を確保することが多いため、地震保険料が大幅に安くなることがあります。

 

(3) 長期優良住宅で優遇される保険 

 

高性能住宅の中でも「長期優良住宅」の認定を受けた場合、特定の保険商品で割引や優遇措置が受けられることがあります。

• 火災保険の割引

長期優良住宅は構造上の強度や耐火性、メンテナンス性が評価され、保険料が軽減される場合があります。長期優良住宅は、耐震性能も含まれるので地震保険も安くなります。

•その他の優遇

長期優良住宅は、長期にわたってメンテナンスがし易いように施工されているため、家も長寿命です。ローンの金利優遇や固定資産税の減額措置(一般住宅では、3年間半額の所、5年間半額)、住宅ローン減税が13年間受けれる他、不動産取得税の控除や、登録免許税の減免もあります。

 

(4) 瑕疵(かし)保険

新築住宅には法律で「住宅瑕疵担保責任保険」への加入が義務付けられていますが、高性能住宅の場合、次のようなメリットがあります:

 

• 長期的な保証

一般的な住宅よりも劣化しにくい設計であるため、保険期間の延長が適用されることもあります。

 

(5) 住宅ローン関連保険

住宅ローンを組む際に付帯する団体信用生命保険(団信)や特約の保険料も、高性能住宅の場合に優遇されるケースがあります。

• 省エネ住宅特典

一部の金融機関では、省エネ性能の高い住宅を建てる場合、ローン金利の優遇措置を提供しており、これに付帯する保険料も安くなることがあります。

これらの省エネ住宅は、外皮計算をして家の省エネ度を数値で表す必要があります。

3. 具体的な保険料の差額シミュレーション

高性能住宅を建てることによる保険料の差額をシミュレーションしてみます。

 

例:火災保険

 

• 一般的な住宅

年間保険料:10万円

• 高性能住宅(省令準耐火構造)

年間保険料:5万円(50%割引)

• 差額

5万円(年間)×30年=150万円の節約

 

例:地震保険(耐震等級3)

• 一般的な住宅

年間保険料:5万円

• 高性能住宅

年間保険料:3.5万円(30%割引)

• 差額

1.5万円(年間)×30=45万円の節約

 

高性能住宅では、これらの差額が長期間にわたって蓄積されるため、総合的なコストパフォーマンスが向上します。

 

4. 保険料以外の間接的なメリット

高性能住宅は保険料の軽減だけでなく、以下のような間接的なメリットも得られます:

• 災害時の安心感

災害時に大きな被害を防げる可能性が高まり、保険請求の頻度を減らせます。

• 資産価値の維持

高性能住宅は劣化が少なく、リセールバリューが高い傾向があります。

• 省エネによる光熱費削減

高断熱・高気密住宅は光熱費が抑えられるため、家計全体の負担が軽減されます。

 

5. 高性能住宅と保険を最大限活用するためのポイント

 

(1) 住宅性能の認定を取得する

高性能住宅の特典を享受するには、住宅性能評価や長期優良住宅の認定を取得することが重要です。

 

(2) 保険会社と条件を確認する

住宅性能を証明する書類を保険会社に提出することで、割引が適用される場合があります。具体的な条件は保険会社ごとに異なるため、事前に確認しましょう。

 

(3) 家計全体でのコスト比較

高性能住宅を建てる際には、初期費用だけでなく、保険料や光熱費、メンテナンス費用の差額も含めて総合的に判断することが重要です。

 

まとめ

高性能住宅を建てることで、火災保険や地震保険をはじめとするさまざまな保険で経済的な恩恵を受けることができます。これに加えて、省エネ性能や耐久性の高さによる間接的なメリットも大きく、家計全体でのコスト削減につながります。高性能住宅を選ぶ際には、保険面での特典も考慮しながら、長期的な視点で計画を立てることが重要です。

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